2018年10月31日水曜日

万年筆インク紙 その2 リスシオ・ワン

今回テストするノートは大和出版印刷(株)の
リスシオ・ワンです。種類は横罫や5mm方眼など。
サイズはA4、A5などがある中から、A5方眼を選択。

キャッチフレーズは「万年筆のために生まれた紙」。

今回これを取り上げたのは次の理由。
「リスシオ・ワンが販売終了」との情報を得た。
在庫がある内に買うべきか否(いな)か?

発端ですが
文房具マンガについてググったら次のサイトがヒットした。

文具王・高畑正幸さんのWEBマガジン「文具のとびら」の中の
【文具時評】文房具マンガがブーム!? 〈前編〉(2017/7/24)

本サイト中、次の対談に上の情報が出て来たのです。

『きまじめ姫と文房具王子』の作者・藤原嗚呼子さんと文具王の対談
(問題の箇所を引用)
【高畑】それは「Liscio-1(リスシオ・ワン)」ですね。万年筆のヌラヌラ系が好きな人向けの用紙だ。

【藤原】どのインクも、色がめっちゃきれいに出るので。でも、これなくなってしまうんですよね。

【高畑】製造中止なんですよ。この紙を抄く機械がもうダメなんですって。
(引用終わり)

それは大変だと思い、Amazonで検索すると、出て来ない。
楽天では、まだ売っている。ひと安心。

でも評判になった用紙やノートは必ず買っているこの私が
今、買いだめする必要があるのだろうか、という疑問が。

ノートや用紙を保管している棚を見たら、リスシオ・ワンが1冊のみ。
しかも、綴じノート(A5、5mm方眼)をカットして、システム手帳の
A5リフィル用にパンチで6穴を空けていた。

64ページ(32枚)のほとんどが未使用。

そんなに万年筆使いが泣いて喜ぶほど良い書き味なのか?
これは実際に万年筆でこの紙に書いて検証すべきではないか?

以上の愚考により、その検証を実行することになりました。
使用万年筆は20本、使用インクは14種類。

万年筆のために生まれた紙「Liscio - 1 」リスシオ・ワン
 上がノート表紙。下がその裏。
字が見づらいので、説明を写してみます。

万年筆のために生まれた紙
「Liscio - 1 」リスシオ・ワン

万年筆の滑らかな書き味にこだわり
紙表面の凹凸を埋める無機顔料の填料(てんりょう)を施しました。

紙内部にも填料を混ぜ、インクの吸収を良くし、
乾きを早くするとともに、滲み、裏写りを抑えることにも成功しました。

落ち着いた白色、しっとりとした質感で、
紙厚はノートや便箋に適した0.11mmです。

万年筆の最高のパートナーでありたいと願っています。

裏表紙の画像は省いて、実際に次の20本の万年筆で書いた結果を示します。
先に結論を申し上げますと、使った万年筆20本の中では
にじみが明らかになったものが何本かあります。

8,9,14~19 これらは完全にインクが滲(にじ)んでいます。
使ったインクはパイロットのインキ。万年筆もパイロット。

プラチナの万年筆は滲(にじ)みがほとんど無い。

結論としては、パイロットのインキはリスシオ・ワンと相性が良くない。
このように思います。

従って、私があわててリスシオ・ワンを買う必要性は低い。
(既にクリーム色のリフィル=ライフのノーブルリフィル
<5mm方眼>を5冊分、注文したからでもありますが)

以下は使用した万年筆の画像と書いた結果の拡大図です。
詳しいことを知りたい人はご覧になって下さい。無残な結果ですが。

では行ってみよう。
こんな感じで楕円形のお皿に万年筆を盛りつけてみました。以下は拡大図。
一番上の透明軸はパイロットのペン習字ペン<EF>極細。これはインクの種類を
書くのに使っています。

以下、検証結果の紙の一番上にある太字は次のペンで書いています。
トンボ Zoom 505 HABANA バーガンディー 0.7mm ローラーボールペン

使用インクの注記は次のペンで。
パイロット ペン習字ペン 透明軸<EF>(インク:純正カートリッジ ブラック)


上から1~5:ペリカンが2本、プラチナ、ダライッティ、モンブラン
(透明軸は除く)

5本の中で一番太い2番のペンも含め、滲(にじ)みは無い。

 6~10:中国の永生、CROSS、パイロットのエラボーが2本、無印良品
6と10はパイロットのインキを使っているが、滲みは無い。
7はペリカンのインク。滲み無し。
8と9は完全に滲んでいる。万年筆とインキの両方がパイロット。

11~15:無印良品、プラチナが2本、パイロットが2本
11のダイソーのインクは滲み無し。
12と13はプラチナ万年筆と純正インク。滲み無し。
14と15が完全に滲んでいる。両方ともパイロット万年筆と純正インキ。

16~20:パイロットが4本、プラチナ
16~19は完全に滲み。
20の場合、プラチナ万年筆の細字にパイロットのインキを入れたが
滲み無し。

考察。
やはりパイロットの万年筆と純正インキの組み合わせは
リスシオ・ワンと相性が悪いと言えよう。

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