2018年12月4日火曜日

5本の万年筆をお迎えしました

函館の天気は雨、最高気温は14度の予報。6時50分の気温は10度でした。
庭の写真です。落ち葉で埋め尽くされています。

さて、11月から12月に掛けて買った万年筆は5本。

上から順にメーカー名、品名、字幅、定価を示します。

1.ファーバーカステル オンドロ ウッド(木軸) <F>細字 20000円+税
 メルカリで送料込み 9500円、コンバーター付き

2.プラチナ #3776センチュリー シュノンソーホワイト <SF>細軟 13000円+税
 2018年の新製品(同時発売、ローレルグリーン)

3.DIME 2019年1月号 付録 ゴルゴ13万年筆 <M>中字 本誌とも税込890円

4.ペリカン スーベレーンM600 ヴァイブラントオレンジ <EF>極細 45000円+税
 日本での販売数は1500本限定。

5.(中国製)Fuliwen 万年筆 2055 <M>中字 (楽天価格)税込5292円
 ペン先はドイツ製 JoWo社の6番サイズの中字に付け替え

1番の木軸万年筆には付属のインクカートリッジ(ガーネットレッド)を使用。
2番の白軸はコンバーター無しだったので、金色のコンバーター500をセット。
3番のゴルゴ13には中華コンバーター(直進式)を入れた。

4番のオレンジ軸は吸入式なのでキャップを外した写真は別掲。

5番の金属軸はキャップ込みで58gと、万年筆のコレクション中ダントツの重さ。
キャップ抜き、コンバーター付きでも40g。
ちなみにモンブラン マイスターシュテュック149は33g。
 エジプトのピラミッド内部の壁画をあしらったデザインです。


ペンスタンドに載せてみます。こうすると高級感が出ますね。


ペン先の拡大図を示します。最初はプラチナの白軸。

次にペリカンのオレンジ軸を。

ペリカンのインクも買いました。エーデルシュタインです。色は緑と赤。
品名ジェード(ダーク・グリーン)とガーネット(ダーク・レッド)。



箱に INK OF THE YEAR と書かれています。2014年の限定色。
ペリカンの万年筆カタログの2017年版にあったルビー(レッド)が
2018年版から無くなりました。その代わりにガーネットが2018年に発売。

2018年11月8日木曜日

自作100本入れペンスタンド

夏休みの宿題に自由研究というのがあります。
段ボールで作る工作なども含まれますね。

今回は買えば送料込みで1万円もする巨大ペンスタンドを
段ボールで自作しました。取り出しやすいように斜め上を
向いています。今までやったことが無い工作の時間です。

以下、このペンスタンドの作り方を解説します。
何も入れない時のスタンドの重さは286g。
今は万年筆をコマ(区画)ごとに2本ずつ入れた状態。

10段×4列×2本=80本。これに最上段の9本を足すと89本。
一本の重さを平均25gとすると、89本を掛けて約2.2kg。
薄い段ボールで作ったペンスタンドは、その重量に耐えています。

1.材料
メルカリで良く買い物をするのですが、その容器が
ヤマト運輸の宅急便コンパクト。上面は週刊誌サイズです。
詳しくは長辺25cm、短辺20cm、厚さ5cm。


今回はこの段ボールを10個使っています。作業時間は3時間。

2.モデル
なお、このペンスタンドにはモデルがあります。次の雑誌に出ていました。
万年筆等の専門ムック「趣味の文具箱」vol.29(2014/3/10)
p.45に 「ペン富豪の机上を飾る収納ツール」との見出しで掲載。

カルタ 業務用ペンスタンド H300タイプ(10段4列)
横幅200×高さ286x奥行き130mm 材料:無塗装の針葉樹系木材
ブランド名:margherita 定価:7800円+税
楽天では上記の価格に送料1000円を加えて扱っています。
横から見ると、底面が傾斜しています。ペンの出し入れがスムーズに。

3.プロトタイプ(試作品)を自作
この写真を見て、欲しいけど値段が1万円近くするのでペン貧民の私は
もう少し安ければなぁと思いました。ホームセンターで板を切ってもらい
自分で組み立てると安上がりなのでは。

でも図面を引いて板を切ってもらった経験がありません。
そこで余った段ボール箱を使った試作品で試すことに。

以下は試行錯誤の過程です。

段ボールを平らに伸ばし、次に裏返して寸法を入れてみる。
この5cmは万年筆を入れるコマ(区画)の横幅を表しています。
両側の12.5cmは内側に折り曲げて、コの字形の外枠にします。

ペンスタンドの内側は縦板と横板の格子になっています。
取りあえず、横板と縦板のどちらも同サイズに決め、上のようにしました。

横板のコマは4列。5cm間隔で。両側の2.5cm分は外枠からはみ出す部分。

段ボールの両面です。それぞれ格子に組む部分は切り込みを6.5cmとします。
横板の奥行きは13cm。
こんな風に先に10枚余り(ここでは途中の8枚)横板と縦板を上の寸法で
切り分けて行きます。

今度は縦板の格子の切り込み部分です。コマが上向きに傾斜しています。
格子のコマの縦の高さは2cmとしました。2cm間隔で左上がりの線を
11本引いています。これが縦板の見本です。なお傾斜角度は適当に。

見本の下に何も線を引いていない段ボールを置きます。

右上がりの1本線との交点を見本の上から千枚通しでブッスリと差すと
見本と同じ位置に穴が空きます。下の段ボールを取り出して穴に定規を当て
縦線と横線を引いて行きます。この作業を縦板2枚と、コの字形の
部分にも行います。千枚通しは、こうした作業に向いています。


格子が交差する部分にハサミを入れて行きます。

外枠を除いて、中の格子を全部組んでみました。コマがきちんと長方形に
なりません。斜めになっています。何故かと言うと、段ボールの厚さの分の
余裕を全然見ていないからです。そんなことも知らずにやっていました。

案の定、グニャグニャに曲がってしまっています。
立ててみても、ご覧のとおり、縦横が曲がってしまって使い物にならず。

一旦組んだ格子をバラしてみました。
そうして、段ボールの厚さ、約2mm分の切り込みを全部に渡って入れました。
その時の写真は撮るのを忘れていました。

 ここからは完成品になります。
 コマの形も長方形に近くなりました。

裏側の部分です。外枠の裏側に段ボールをもう1枚、ホチキスで留めました。

コレが底面です。下の裏面が外側にふくらんでしまっています。


これで試作品の完成です。いよいよ万年筆を入れて行きます。


コマの横幅が5cmもあるので細い軸なら3本入ります。
鉛筆なら縦に2段、横に5本、合計10本は可能か。
最上段の右端はモンブラン マイスターシュテュック149(長さ14.5cm)。
左端もモンブラン #221 ボルドー色の軸(長さ13.5cm)。
右から2番目のコマの透明軸はPilotカクノ(長さ12cm)。

こうして見ると、奥行き13cmだと、短いカクノはコマの奥の方に隠れてしまう。
そうなると取り出すのが不便ですね。

プロトタイプ(試作品)なので、こうした失敗も次に活(い)かせます。
次はもっと精密に図面を引かなくては! 強度も考えて木材の板が良いかも。
奥行きは12cmにしましょうかね。

2018年10月31日水曜日

万年筆インク紙 その2 リスシオ・ワン

今回テストするノートは大和出版印刷(株)の
リスシオ・ワンです。種類は横罫や5mm方眼など。
サイズはA4、A5などがある中から、A5方眼を選択。

キャッチフレーズは「万年筆のために生まれた紙」。

今回これを取り上げたのは次の理由。
「リスシオ・ワンが販売終了」との情報を得た。
在庫がある内に買うべきか否(いな)か?

発端ですが
文房具マンガについてググったら次のサイトがヒットした。

文具王・高畑正幸さんのWEBマガジン「文具のとびら」の中の
【文具時評】文房具マンガがブーム!? 〈前編〉(2017/7/24)

本サイト中、次の対談に上の情報が出て来たのです。

『きまじめ姫と文房具王子』の作者・藤原嗚呼子さんと文具王の対談
(問題の箇所を引用)
【高畑】それは「Liscio-1(リスシオ・ワン)」ですね。万年筆のヌラヌラ系が好きな人向けの用紙だ。

【藤原】どのインクも、色がめっちゃきれいに出るので。でも、これなくなってしまうんですよね。

【高畑】製造中止なんですよ。この紙を抄く機械がもうダメなんですって。
(引用終わり)

それは大変だと思い、Amazonで検索すると、出て来ない。
楽天では、まだ売っている。ひと安心。

でも評判になった用紙やノートは必ず買っているこの私が
今、買いだめする必要があるのだろうか、という疑問が。

ノートや用紙を保管している棚を見たら、リスシオ・ワンが1冊のみ。
しかも、綴じノート(A5、5mm方眼)をカットして、システム手帳の
A5リフィル用にパンチで6穴を空けていた。

64ページ(32枚)のほとんどが未使用。

そんなに万年筆使いが泣いて喜ぶほど良い書き味なのか?
これは実際に万年筆でこの紙に書いて検証すべきではないか?

以上の愚考により、その検証を実行することになりました。
使用万年筆は20本、使用インクは14種類。

万年筆のために生まれた紙「Liscio - 1 」リスシオ・ワン
 上がノート表紙。下がその裏。
字が見づらいので、説明を写してみます。

万年筆のために生まれた紙
「Liscio - 1 」リスシオ・ワン

万年筆の滑らかな書き味にこだわり
紙表面の凹凸を埋める無機顔料の填料(てんりょう)を施しました。

紙内部にも填料を混ぜ、インクの吸収を良くし、
乾きを早くするとともに、滲み、裏写りを抑えることにも成功しました。

落ち着いた白色、しっとりとした質感で、
紙厚はノートや便箋に適した0.11mmです。

万年筆の最高のパートナーでありたいと願っています。

裏表紙の画像は省いて、実際に次の20本の万年筆で書いた結果を示します。
先に結論を申し上げますと、使った万年筆20本の中では
にじみが明らかになったものが何本かあります。

8,9,14~19 これらは完全にインクが滲(にじ)んでいます。
使ったインクはパイロットのインキ。万年筆もパイロット。

プラチナの万年筆は滲(にじ)みがほとんど無い。

結論としては、パイロットのインキはリスシオ・ワンと相性が良くない。
このように思います。

従って、私があわててリスシオ・ワンを買う必要性は低い。
(既にクリーム色のリフィル=ライフのノーブルリフィル
<5mm方眼>を5冊分、注文したからでもありますが)

以下は使用した万年筆の画像と書いた結果の拡大図です。
詳しいことを知りたい人はご覧になって下さい。無残な結果ですが。

では行ってみよう。
こんな感じで楕円形のお皿に万年筆を盛りつけてみました。以下は拡大図。
一番上の透明軸はパイロットのペン習字ペン<EF>極細。これはインクの種類を
書くのに使っています。

以下、検証結果の紙の一番上にある太字は次のペンで書いています。
トンボ Zoom 505 HABANA バーガンディー 0.7mm ローラーボールペン

使用インクの注記は次のペンで。
パイロット ペン習字ペン 透明軸<EF>(インク:純正カートリッジ ブラック)


上から1~5:ペリカンが2本、プラチナ、ダライッティ、モンブラン
(透明軸は除く)

5本の中で一番太い2番のペンも含め、滲(にじ)みは無い。

 6~10:中国の永生、CROSS、パイロットのエラボーが2本、無印良品
6と10はパイロットのインキを使っているが、滲みは無い。
7はペリカンのインク。滲み無し。
8と9は完全に滲んでいる。万年筆とインキの両方がパイロット。

11~15:無印良品、プラチナが2本、パイロットが2本
11のダイソーのインクは滲み無し。
12と13はプラチナ万年筆と純正インク。滲み無し。
14と15が完全に滲んでいる。両方ともパイロット万年筆と純正インキ。

16~20:パイロットが4本、プラチナ
16~19は完全に滲み。
20の場合、プラチナ万年筆の細字にパイロットのインキを入れたが
滲み無し。

考察。
やはりパイロットの万年筆と純正インキの組み合わせは
リスシオ・ワンと相性が悪いと言えよう。