2014年8月21日木曜日

無駄な教養だけはあるが、実行力と金儲けの才能は無い

昔、20年くらい前、ある人にこんなことを言われたことがあります。
「はい、はい」と返事だけは良いが、本当にやる気はあるのか?と。

火事場の糞力(マンガ「キン肉マン」)ではありませんが、追い詰められ、切羽詰まった挙げ句でないと、やる気は出ない性格です。

自称・二日坊主。 別名・ナマケモノ

何をやっても長続きしない人を、普通は三日坊主と言いますが、私は三日も続かない。次から次へと面白いことに目移りする。「意余って力足らず」とも違うか。


前回のブログに「眠たい写真」と書きましたが、それで思い出すのが、一世を風靡(ふうび)したマンガ「ナニワ金融道」。主人公・灰原が初めてサラ金「帝国金融」に就職した時に先輩で教育係の桑原が語ったセリフ。

ある町工場の社長が借りた金を返せなくてグダグダと言い訳するのに対して、「眠たいこと言うなや」。この社長がどんな運命になるのかはマンガをご覧下さい。

このマンガが画期的なのは、それまで見たことがない下手な絵柄、えげつない現実をこれでもかと見せつける展開、身もふたもないネーミングの数々。最後の例をいくつか挙げてみる。

帝国金融社長・金畑金造、ハッタリ不動産、スナック「下心」、ソープランド「MEKO」、カスリ金融、切取金融、誇大広告社、軽薄企画、映画館「ニューピンク座」社長・江呂好夫、猫馬場塾、ヤクザの腸疫九郎太(懲役をくらった)、灰原が乗るベンツのナンバーは「893」、「ソープに沈めたろか!」、献金急便(佐川急便を連想させる)、地上げ屋・肉欲棒太郎、タイヤメーカー「ヒビワレックス」、悪徳警官・浴田山海(欲出さんかい)は浄化署に勤務、帝国金融の顧問弁護士・悪徳栄、海事代理士・落振(おちぶれ)県一、浦切平基(うらぎり・へいき)、腹黒助平、類似電機、末期近志(まつご・ちかし)。

出典:雑誌 季刊「CONTE」No.3 SPRING 2002 (2002/4/30)より
   特集 ナニワ金融道と構造改革
    特に、「ナニワ金融道全話紹介」「ナニワ金融道人物紹介」


もう一つ、前回の「忘れられた」で思い出したこと。
画家マリー・ローランサンの詩「鎮静剤」(堀口大學訳)の最後の一節。

 死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です

エプソン提供「美の巨人たち」でこの画家を取り上げた際に紹介されました。

しかし、歴史上の人物以外は、記録にも残らず、全員忘れられた人ばかり。それが本当に哀れなのか?

テレビの美術番組を見るのが好きで、かれこれ30年は見続けている。絵を見れば画家の名前やタイトルがすぐに出てくる。マンガもそう。

クラシック音楽歴も50年以上。通俗名曲を聞けば曲名・作曲者名はほとんど言える。

何十年前に読んだ本のあらすじを語れる。万巻の書(主にマンガ)を読んだが、自慢にも金にも一切ならない。それでも人生楽しい。

2014年8月20日水曜日

ダレています

最近、写真を撮るのが嫌になりかけています。

思えば、一眼レフのカメラを始めた2年前(2012年)のこと。努力して上達するよりも、自分が楽しんで写し、他人にも喜びを与えるような写真を作ることを、一番の目的にしていたはずでした。

それが、いつしか苦痛になって来たのは、何故でしょう?

当初は、楽して傑作が撮れるカメラを購入して、それで写せば良いと考えていました。余りにも子供っぽい、素人の考えです。

身近に相談する人も居ないので、主にネットのブログと写真専門誌の記事などを参考にして、購入するカメラを決めました。しかし、それらカメラの専門家や経験者の意見は、多種多様で、すべて言う通りに買えば、いくらお金があっても足りない、間に合わない。

ある人曰く、戦前のライカ(つまり銀塩カメラ)こそ最高峰だ。あるいは、コンタックスとカールツァイスのレンズの組み合わせだ。云々(うんぬん)。

ある人の「昔のフィルムカメラが良いと」いうのを真に受けて、試しに、親父が昔使っていた、ミノルタα807i やサムライ(SAMURAI) X3.0にフィルムを詰めて、色々撮ってみたが、どれも眠たい写真ばかり。私の腕の悪さを割り引いても、曇ったようなレンズで撮った写真に満足することなど到底できませんでした。

一万円以下の安いコンデジでも、上のカメラよりも増しな、明るい写真が撮れます。それで充分です。

(雑誌「暮らしの手帖」の社長)松浦弥太郎の「男の一流品カタログ」という特集が「BRUTUS」の2014年8月号にあり、図書館で読みました。その一流の80品目中にカメラが3台あります。

1.ハッセルブラッドEDC
  アポロ11号で使用され、月面の写真を撮った記念碑的なカメラ。

2.アダムス・マイネックス・デラックス・トロピカル 
  9×12サイズの一眼レフ。カメラのロールス・ロイスと言われている

3.ライカCL
  ニューヨークの写真といえばスティーグリッツが撮ったフラットアイアンビル。松村氏は同じ場所からこのビルの写真を撮るのが夢だった、と書いている。
もちろん、この特集の最初の扉に、自らが、このカメラで写した、かのビルの写真が出ている。子供っぽい自慢に見えますが、いかがでしょうか?

これ位で、この特集の話は終わりにしますが、松村氏の好みは、大半が舶来品で,西洋かぶれか? と私は思いました。

カメラの愛好家の中には、松村氏のような人が大勢います。これこそ一流だ、あるいは最高のカメラだ、レンズだと。


有名カメラマンと言われる人々の傑作と言われる作品や写真集を見ても、私の心に響く感動的な写真は、ほとんど無い。白黒でなければならないと言う人もいるが、何故だか分からない。普通の人は色盲を除いて、誰もがカラーで眼前の世界を見ている。カラー写真が劣り、モノクロ写真はそんなに偉いのだろうか?

粒子の粗い、不気味な野良犬の写真が傑作だと言われているが、それも私は良いと思ったことは無い。余計なことだが、塗りがはげた仏像をありがたがる人の心情も理解できない。

私が唯一面白いと思ったのが、梅 加代の代表作である写真集「うめめ」だ。これこそ人を笑いに誘う、楽な気持ちで見られる傑作! この人の才能を真似することなど、今の私には到底できないが、見るたびに「いいなぁ」と安心できる。

「今の私には」と何の気なしに書いたが、もちろん、将来に渡っても、死ぬまで掛けても真似できない。

これに関しては、少女マンガの傑作、美内すずえ「ガラスの仮面」で主人公の北島マヤが少女時代に、ある舞台で同じ台詞(セリフ)を口にした。「今の私には(この演技は)まだ無理だけれど」

それを聞いた師匠である月影先生は、「今の私には出来ないかも知れないが、将来には出来るだろう」という意味だと、その舞台を代表する大女優に告げる。それだけの才能がマヤにはあると認めているからだ。


今、次の本を読んでいる。あまり真に受けないように斜め読み。

面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則
著者は 本田直之。出版社は 大和書房。2009/1/25 発行

昔、筒井康隆がエッセイの中でこんな風に書いていた。
「長編小説を執筆していると、途中でダレ場が出てくる」

山場では無く、「ダレ場」。マラソンでも最初から飛ばしていると途中で息切れして、最後までスタミナ(元気、持久力)が続かない。

だから、小説家もわざとダレ場を作り、最後まで執筆が続くようにするみたい。

ましてやプロのカメラマンでも無い私が、失敗もなく、常に向上を続けて、前よりも傑作を量産し続けることが可能だと思う方が間違っている。

今は、ダレ場だと思っている。失敗して反省して、を繰り返すのが普通の人。私も普通あるいは、普通以下の人なので、あまり買いかぶらないようにお願いします。

才能のある人ほど、周りも皆、自分と同じようにやれると、思い込んでいるのではないか? 現状はどうなっているのでしょうか?

事実は、1000人の凡人中に才人は一人でしょう。あるいは万人に一人の天才の割合か?

凡人がたまに愚痴ったって良いでしょうねっ。


以下は余談です。(今までが全部余談だったりして)

現在、天才画家と呼ばれている人たちも、極端に言えば生前は一枚も絵が売れないとか、誰にも認められない例がある。ゴッホ、モジリアーニ、アンリ・ルソーなど。

逆に死んで50年も経つと、ほとんどの人に、その存在を忘れられる人もいる。
私の好きな開高 健、松本清張、司馬遼太郎などは、30代以下に知っている人はいるのだろうか?

先日、映画館(シネマ アイリス)で見た「グランド・ブタペスト・ホテル」。
ミステリだが、笑った笑った。エンドロールに(オーストリアの文豪)シュテファン・ツヴァイクに触発された等と英語で書かれていた。(劇中、クリムトの絵が2枚飾られていて、そのうちの一枚が破かれた)

で、午前中に見て、その足で蔦屋書店に行き、この作家を30代のコンシェルジュ(案内人)数人に知っているかと聞いたら、誰も知らなかった。

学生時代に、代表作『ジョゼフ・フーシェ』(岩波文庫にもある)を潮文庫で読んだだけだが、名前だけは、しっかり覚えていた。検索してもらうと次の訳書が出ていた。
(1年くらい前だったか、ブックオフで潮文庫20冊を105円コーナーでゲットした。その中の一冊がこれ)

マリー・アントワネット』(上下)角川文庫 中野京子訳 2007年刊
(池田理代子『ベルサイユのばら』は本作を元にしている)

別の訳者で河出文庫でも上下で出ている。

要するに、ツヴァイクの名を知る人も50代以下には居ないような気がする。
1942年に自殺(満60歳)。

8月16日(土) 鹿部漁港の花火大会

函館の隣・七飯町の大沼国定公園(駒ヶ岳)の近くに、鹿部町(しかべちょう)があります。夜7時30分から9時まで、そこの漁港で写した写真を掲載します。

函館から鹿部町まで行くには、2つのルートがあります。一つ目は函館新道(高速道路)を通るコース。二つ目は川汲峠を通るコース。前者の方が漁港までの道程が短く、一時間弱で目的地まで到達できます。(帰りは大沼トンネル前まで渋滞して、函館の我が家に帰宅したのが午後10時30分)

当日の天気ですが、午前中の天気予報によると、函館が終日曇りに対し、鹿部町は夜に晴れるそうなので、絶好の花火撮影日和見です。

午後6時。これが打ち上げ場所の堤防。真ん中に小さく灯台が見えます。ここを中心に左右に花火が上がります。岸に上がった磯舟のすぐ後ろに撮影ポイントを定めました。堤防の左側には屋根が掛かっている。

左下には、海のすぐ間近に、既にカメラマンが三脚を据えています。ニコンの一眼レフでバリアングル液晶を備えた機種。D5200か?
 右手を見ると、見物客がちらほら集まって来ている。画面中央に小さく見える舞台で歌謡ショーが始まっていた。前座のフォークソング?が終わり、女性演歌歌手が美声を響かせている。

ここの堤防の海側には屋根が掛かっている。なので、その下は撮影には不向きなので、舞台横の大会本部のテントから大部離れた場所を選んだのだった。
「歓迎 しかべ海と温泉まつり」の赤い横断幕が舞台上にある。

これは岸壁の斜め後ろ。


岸壁の真後ろ。漁港の空き地にクルマが数百台集まっている。

さて、今回持ち込んだ機材は次のとおり。両者ともセンサーは APS-C。当然ながら、三脚とケーブル・レリーズは用意しておいた。

1.ニコン D5100 + タムロン 18-270mm(B003)
 レンズは15倍ズーム。同じ焦点距離の古い方のモデル
2.富士フイルム X-Pro1 + 同 XF10-24mm
 レンズは広角ズームで、35mm換算15-36mm

前回はキヤノン 7D + タムロン 16-300mm。故障したので修理を依頼中。
お盆休み空けに修理開始と聞くので、戻るのは月末か?

1は友人から借りたピンチヒッターです。2年前の2012年に中古で買ったモデル。3ヶ月ほど触ったことがあるが、これで花火を写すのは始めて。

先に告白しますが、カメラの設定において、決定的な初歩的ミスを犯していたことに撮影中は全く気づかず。最初のうち、その兆候はあったのだが、思い当たる知識が無くて残念な結果になってしまった。

これがニコン D5100 で最初に写したもの。時刻は7時。ピンぼけだが、雰囲気は分かると思う。実は、この一枚目に本体の設定ミスが既に現れていた。

以下、このカメラで撮った花火は全部ピンぼけ。それどころか、シャッターが降りず、撮影続行不能に。翌日、市販の解説本(下記の P.36 )を見ると、フォーカスモード(ピントの合わせ方)の説明で、AF(オートフォーカス)をMF(マニュアルフォーカス)に切り換える必要があったと判明。

Nikon D5100 基本&応用 撮影ガイド』技術評論社 2012/5/15 発行

暗い場所では AF が効かないため、特に花火の場合はフォーカスモードをマニュアルにするのが鉄則だったのだ。実は、もう片方の X-Pro1 でも同じミスをしていた。本体前面のフォーカス切り換えレバーをMにするのを忘れていた(下記の P.52 )。前回まで3回の花火大会ではMにしていたのに、今回それが念頭になかったのは気持ちのゆるみか? 慢心か?

富士フイルム X-Pro1 基本&応用 撮影ガイド』技術評論社 2012/7/25 発行

7時30分になったが、花火はまだ上がらない。町長か誰かの挨拶が10分くらい続く。その間、待っているしかない。周囲は真っ暗だ。緑色の点は灯台の灯り。
以下の5枚は、すべて D5100で撮影。
 ボケボケの失敗作。途中、シャッターが降りないので、撮影できず。


 水滴のような薄い玉が見えるが、当日は晴れなので、レンズが濡れる訳がない。
かろうじて、こんな風に映ったが、カメラが不調なので、もうD5100での撮影は諦めた。

こういう不測の事態を前もって考えて、2台のカメラを用意したのだ。
仕方なく、X-Pro1 に切り換えて、撮影続行。コンデジ TZ30はクルマに置いて来ていた。

使用した三脚は次の2台。両方ともクイック・シュー付き(予備にもう2台をクルマに積んで来たが高さが足りず不使用)。
1.マンフロット MK294A3-D3RC2 (カメラのキタムラで 15000円)
 アルミ製3段、3ウェイ雲台。耐荷重4kg。重量2.6kg。

2.Velbon UT-43Q (カメラのキタムラで 12000円)
 アルミ製6段、自由雲台。耐荷重2kg。重量 1.1kg。
 足を180度たたむと、わずか28cmと短くなるので、小さなカバンにも入る。

当初は1に D5100 を付け、2に X-Pro1 を付けて、前3回同様、2台体勢で行く積もりだった。だが、撮影場所が狭くて、2台を横並びに立てられず。そこで、1に D5100 を乗せて、これを主にするはずだったが、上記の理由で途中交代。

だが、1に X-Pro1 を付けたところ、上向きにする角度が、どうも調子が悪い。急遽、三脚を2に変えて、ようやく撮影を続行できた。以下、最後まで掲載写真は X-Pro1 で撮影したもの。

これもボケた失敗作。次で希(まれ)にピントが合った。正直に申しますと、9割がピンぼけの山。

何とか両者を生かす方法は無いものかと悩んだ。識者に次のヒントをいただいた。多重露光という手法だ。X-Pro1 にも、その機能はあるが、撮影前にスイッチを入れておく必要がある。今回は OFF にしていたので、次の方法で2枚の写真を合成した。

キヤノンの一眼レフを買うと、DPP ( Digital Photo Professional ) というパソコン用のソフトが、いわゆる RAW現像ソフトとして付いてくる。次の本を蔦屋書店で見つけて購入。その中に、DPPで複数のJPEG写真を合成する実例が。

『多重露光マスターガイド』玄光社MOOK 2014/8/20 発行

以下は、上の2枚を「加算」したもの。
いかがでしょうか? 華やかさが増したと思います。

同様に別な写真でも、単純な「加算」で次の2枚を合成。3枚目がその結果。
きれいだけど、上の方が空いていて、すこし物足りない。迫力がない。
これは「千輪」という名前の花火。これだけだと少し寂しい感じ。
傾向の違う両者を合わせて、一つの作品に仕上がった。空間に無駄が無いですね。左下隅の青い点々は、前に陣取ったカメラの液晶画面。

合成の話は、これくらいで終わり。これからは、いわゆる「JPEG撮って出し」。一切の加工は、して居ません。何とか見られる写真だけをお目に掛けます。
露出時間:8.5秒
露出時間:8.5秒
              露出時間:14秒

横構図に良いのが無いので、次からは縦構図で。
 露出時間:3.5秒
 露出時間:4.3秒
3枚目は露出オーバーです。露出時間:6秒。

露出時間:8.5秒
露出時間:4秒
 まるで蝶(チョウ)が羽を広げたような。露出時間:10秒
 花火の名前は「椰子(やし)」




 カメラに手が当たった。カメラぶれ。
 UFOみたいな。露出時間:7.5秒


 露出時間:10秒
 露出時間:8秒
 露出時間:7.5秒

 露出時間:8.5秒
 画面の下、真ん中と左端に人影が。露出時間:9秒
 露出時間:10秒
 花火の名前は「万華鏡」。露出時間:4.5秒
左下の仕掛け花火の文字は「また来年しかべ町で」。次が最後の花火。
 花火の名前は「柳(やなぎ)」。露出時間:4.5秒
これにて終了。露出時間:13秒

今回の反省点。
 準備不足。練習不足。やる気不足。
 参考書や他人のブログの内容を真似する前に予行演習をするべき。

次回8月23日(土)函館市松倉川から打ち上げの湯川(ゆのかわ)花火大会で今シーズンの花火撮影は終わる。

内部を黒く塗(ぬ)った茶筒のようなものを作り、前もって練習をして望む。
これを使って多重露光をするつもり。

2014年8月6日水曜日

8月1日 第59回道新花火大会 その3 帯に短し、たすきに長し

8月1日(金)第59回道新花火大会
主催/函館港まつり実行委員会、北海道新聞函館支社

2回目と同じ調子で、残りの花火写真を掲載するのも芸が無いので、ちょっと趣向を変えてみます。いわば、これまでの反省やら考察もとい後悔について語ってみることにします。と言っても所詮は素人なので、的外れの意見になるかも知れません。

(以下、無味乾燥な文章が長々と続くので、カット代わりに、実家の庭に咲く花の写真などを間に挿入します。別に意味は無いです)

今まで7月20日、同27日、8月1日と3回の花火大会を撮影しました。
撮影の仕方・条件は全て同一です。(花火撮影の参考書のパクリ)

1.三脚を立ててカメラを乗せる
2.カメラの端子にレリーズを付ける(ブレ防止のため)
3.カメラの設定を次のようにする
 ・バルブ撮影(ダイヤルをBにする) 露出時間は平均4秒(単発の場合)
 ・ピントはマニュアル
 ・ホワイトバランス:太陽光(晴天)または白熱電球 (私は前者に)
 ・ISO感度を100にする(最低感度が200の機種は200に)
 ・レンズは高倍率ズーム(無ければ標準ズームまたは広角ズーム)
 ・レンズの絞り:F8~16(私はF11に固定)
 ・レンズの手振れ補正機能はOFFにする
 ・長時間露光のノイズリダクション(低減)もOFFに

花火撮影の参考書には、スターマイン(連発花火)の時は、レンズにND(減光)フィルター(N4またはN8)を付けると良いなどと書かれています。つまり、単発の何倍も光量が増すから、露出オーバー(白飛び)を防ぐ必要があるため。しかし、暗闇の中でフィルターを付ける時間も余裕も私には有りませんでした。

複数の花火を一枚に保存するために、黒い紙を貼った「うちわ」あるいは黒い布製の袋でレンズを隠す手法もあるそうですが、これも慣れないと出来ない技です。要するに、一発目が画面の左側から上がり、二発目が右側から上がるなどの場合は、画面一杯に沢山の花火を入れられる効用があります。

同じ位置に何発も連続して上がる時はレンズを隠す(おおう)。写したくなったら、覆(おお)いを取る。理屈は分かりますが、慣れない私には出来ない相談です。

それ以前に、お話ししたように、一度にカメラ2台を両手でレリーズ操作する私には全く不可能です。両手がふさがっていますから、奥の手でも出さない限り、レンズを隠す手段は無いのです。

このカメラ2台の三脚への置き方は次のとおり。
1.左側の三脚にキヤノンの一眼レフを横構図で設置
2.右側の三脚に富士フイルムのミラーレスを縦構図で設置

こうして2台(のレリーズ)を同時操作することで、同じ花火の写真が横構図と縦構図の2枚、同時に撮ることが可能になります。しかし良いことばかりではありません。

レンズの画角が狭い場合(ズームが出来ない場合)は、花火が各々の構図に収まらず、切れてしまう恐れがあります。実際、そんな失敗が結構ありました。

前置きが長くなりましたが、そうした失敗の実例を以下にお目に掛けます。
最初のは打ち上げ開始一発目。緑の島といっても、結構海岸線が長いので、どの位置から花火が上がるのか、前もって分かりませんので、適当にレンズを向けていました。これでは右側が大きく空いてしまい、格好が悪い写真になってしまいます。

そこで二発目が上がる前に、レンズを心持ち左に向けて(水平のパン棒を回して)待ちます。
今度は、ほぼ真ん中に収まりました。後は、このまま動かさずに撮り続けます。
まだ高い花火も上がらず、この調子で低い位置で開花します。
暗い花火だと、観客席も暗く映ります。
今度は明るい花火なので、観客の服装や椅子の色なども識別できますね。

いきなり高い位置まで上がる花火に変わります。上が少し切れていますが、まだ中心は見えています。

画面の下側、観客席の真ん中から少し右に、ミサイルみたいなものが上を向けて直立している。撮影中は気付か無かったが、こうして見ると妙に気になる。これが、いきなり、上空へ飛んで行って、花火になったら、きっと皆な度肝を抜かれるな。
あれあれ、段々高度が上がって来ました。

こんな風に20発ほど姿が見えないほど高く上がっています。実はこの時点で画面から外れてしまったことに気が付いては居ませんでした。つまり折角きれいな大輪の花火が上がったのに、20発続けて失敗写真になってしまった。

気が付かなかったのには理由があります。愚かにも、やらなくても良いことをやってしまっていました。撮影してデータを保存する時に、動作が遅れることを恐れる余り、「メモリに保存後に撮影画像を液晶に2秒表示する」のが標準ですが、この機能を「切り(OFF)」にしてしまっていたのでした。
これでは高く上がった花火が液晶画面から外れてしまっても見ることが出来ません。馬鹿なオレ。これを元に直すことが出来ず(どのメニューから設定するか迷い)、仕方なく、いちいち、再生ボタンを押して、保存画像を見ることを繰り返しました。

こんなことをしていると、次々上がる花火を撮るタイミングを逃してしまう。元も子も無い。もう大失敗です。結局、第1部の一番良い花火を逃してしまった。

高く上がった花火を撮るには、当たり前のことですが、臨機応変にレンズを上向きに直しておかないと駄目です。観客や海は画面に入りませんが、仕方ありません。

いつまでも高い花火ばかりが続く訳ではない。
これは高い花火の後に低い花火が続いた例。レンズを下方向かつ左方向に向けないと、やはり切れてしまう。おまけに水平が取れていない。それらに気が付かず、10枚以上、失敗写真を量産。

次に、縦構図も横構図も、どちらも花火が画面から外れてしまった例を。
横構図は、上が切れてしまい、縦構図は左が窮屈になっています。どちらも大輪の花火の中心が見えるので、かろうじて許せる範囲だと思います。

この上下2つも同じパターンですね。これは基本的に縦構図が似合うので、上の写真をトリミングすれば救われます。下の写真は直しようがないです。右の空いた箇所に別な花火を合成する位しか修正の方法は無いでしょう。

そんなことは私のプライドが許さない。なんて嘘(ウソ)です。単にフォトレタッチの知識が無いだけの話。「Photoshop Elements 12」の解説本は持っているが、開いたことはない。読む気も起こらない。怠け者ですから。

文章を書くのは苦手なので、普段は吞み付けないビールをあおりながら、無い知恵を絞りながら書いています。元々下戸で、今日は、たまたま貰(もら)い物の缶ビールとつまみがあるので、酒の力を借りて何とかやっつけております。

とにかく、上下左右の画面と花火の上がる位置を、状況が変わる都度、微調整して行く以外に、画面にきれいに花火を収める方法はありません。

この作業を、2台のカメラの両方に臨機応変に行うのは、なかなかに難しい。忙しいですから。ここは縦構図を捨てて、カメラを一台に絞ってやるのが一番良いでしょう。二兎を追う者は一兎をも得ずと申します。

もし、画面の左右が空いたら、後でトリミングするか、別の花火を合成すれば良い。明合成とかいう秘術があるそうですが、簡単だと書いてあるブログを見てもちんぷんかんぷん。この分野が得意な人が居たら助けて下さい。寄らば大樹の陰と申します。

落ちが付いたところで、お開きに致します。酔いも回って、もう何も考えられない。後は寝るだけ。