海洋工学科の1・2年は札幌校舎、3・4年は(静岡県)清水校舎。
旅行は別として、函館から長く離れたことが一度もない私にとって
札幌は初めて一人で暮らす街でした。
札幌校舎は札幌市南区南の沢の小高い丘の上にありました。
丘の下の川沿町にある下宿は賄い付きで二人部屋でした。
近くの豊平川の向かいには真駒内の自衛隊駐屯地があります。
さて、NHKラジオの語学講座は朝7時から8時までにドイツ語、
ロシア語、フランス語の順に各20分ずつ。夜11時から再放送。
どうせ朝は何もすることがないので、1時間で3カ国語の学習に
挑戦することにしました。朝晩毎日1年間、これを続けました。
大学の教養科目の第二外国語はドイツ語とフランス語。
どちらか一つを選ぶ必要があるので前者にしました。
どちらも語学講師は日本人なので、特に発音が大事なフランス語は
命を懸けてラジオで全身を耳にして取り組むのが一番と決めました。
結果的には、誰にも邪魔されずにフランス人の発音を真似することが
出来、思い切り声を出すことで自分の発音がネイティブに近づけたと
満足しています。
NHKラジオフランス語の講師は朝倉季雄。驚くべきことに、
この先生、のどひこのRの発音が出来ないのです。
(のどちんこを振るわせて発音するのがフランス語のRの特徴)
これに対してテレビフランス語の講師はダンディな丸山圭三郎。
こちらはまるでフランス人のようなきれいな発音。
この本も札幌の丸善で買ったものです。通読はせず。当時(昭和46年)は
辞書は持っていませんでした。目標がシャンソンを原語で歌うレベルなので
発音さえ出来ればそれで良しと思っていたからです。
丸山圭三郎『ソシュールを読む』岩波書店 1983/1994 第19刷
ブックオフで去年見つけて買った。鉛筆でびっしりと注釈が書いてある。
どこかの学生が教科書として使ったらしい。あまりにも教養がなさ過ぎて
馬鹿かと思った。
以下は余談です。
ロシア語の参考書は次の本
佐藤純一『NHKロシア語入門』日本放送出版協会 1970年 第4刷
他に丸善で見つけた掘り出し物。
永村純一『科学技術者のためのロシア語入門』学献社 1968年
これは函館市の図書館に寄贈しました。上の写真は1992年の改訂版。
抜群に面白い本です。会話ではなく、ロシア語の論文を読むのを主眼に
基礎の文法から丁寧に解説している良書。
著者が推薦する最高の文法書も札幌の古書店で見つけました。
除村吉太郎『露文解釈から和文露訳へ(改訂版)』白水社 1969年 第2刷
次の本は2年後の昭和48年(1973年)に清水校舎に移った時、下宿の
先輩から貰ったロシア語の科学読み物。持ち主の名前が読み取れます。
巻末に手書きで「72' 3・1」とあります。
写真はソ連のガガーリン。人類で初めて地球の軌道を一周した。 その時の言葉は有名な「地球は青かった」。 |
D.M.COOPER "RUSSIAN SCIENCE READER",
なんでロシア語を学習したのかと言うと、昭和45年の高校3年生の時に
SFマガジンに次の画集の広告が載っていて、その本を原語で読みたいと
思ったからです。(続く)
А.ЛЕОНОВ,А.СОКОЛОВ
『ЖДИТЕ НАС,ЗВЕЗДЫ』
Молодая гвардия,1967
(A. Leonov, A. Sokolov "THE STARS ARE AWATING US"
レオーノフ&ソーコロフ『星は我らを待っている』若き親衛隊社 1967年)
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