2018年10月8日月曜日

万年筆で書写 その2

前回の記事で次のように書いた。

ちなみに、同じ趣向のショートショートが昔にもあった。出て来る
映画俳優の名前が1930~50年代あたりなので、現在60代以上の人しか
知らないだろう。
 筒井康隆「発明後のパターン」(『バブリング創世記』徳間書店 1978年)

書写の2回目は、この超短編にした。30代以下の人はちんぷんかんぷんだろう。
ハンフリー・ボガート(『マルタの鷹』1941年『カサブランカ』1942年)
ロン・チャニー(怪奇俳優『オペラの怪人』1925年 チェイニーとも)
ベラ・ルゴシ(同『魔人ドラキュラ』1931年)
ボリス・カーロフ(同『フランケンシュタイン』1931年の怪人役)
スペンサー・トレイシー(『少年の町』1938年『招かれざる客』1967年遺作)
クロード・レインズ(『カサブランカ』1942年)
ポール・ヘンリード(『カサブランカ』1942年)
エドワード・G・ロビンソン(ギャング映画『犯罪王リコ』1931年)
ピーター・ローレ(『マルタの鷹』1941年『カサブランカ』1942年)
ベティ・デービス(『イヴの総て』1950年『何がジェーンに起こったか』1962年)
ジョージ・ラフト(ギャング映画『暗黒街の顔役』1932年)

イングリッド・バーグマン(『カサブランカ』1942年『白い恐怖』1946年)
ジェームズ・キャグニー(ギャング映画『民衆の敵』1931年)
ローレン・バコール(『三つ数えろ』1946年でハンフリー・ボガートと共演)
ジーン・ティアニー(『ローラ殺人事件』1944年)

いかがでしたでしょうか? 60代半ばの私でも半分以上は知らない名前ばかり。
かろうじて知っているのは『カサブランカ』での名セリフ「君の瞳に乾杯」を
語ったハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンくらいかな。


参考:
筒井康隆『富豪刑事』新潮文庫 1984年(親本は新潮社 1978年刊)

4編の連作中編集。最後の「ホテルの富豪刑事」に登場する刑事たちの顔が
このショートショートの中の俳優たちに似ているという設定なので、面白い。

ついには、「県警からやってきたワーナー・ブラザース組」とか
ピーター・ローレ刑事とかキャグニイ刑事と、本文で書かれて
しまっている。筒井康隆が楽しんで書いていることが判(わか)る。


さて、原稿用紙に書写する話に戻る。
本文で似たような文章が続くので、つい書き間違えてしまった。
欄外に書き漏らした部分を入れたのは、ご愛敬。

何のことやら分からぬ文章だが、リズム感があって耳に心地良い。
特に「ピタロレるな」は爆笑ものだ。


一応、私なりに解読した部分を書いてみよう。

「ポリヘルドを見せびらかしながら」は、拳銃などの携行できる武器のことか。

「おとなしくこちらへエドドジロビソるのだ」は、寄こせ・渡せの意味。

「このポリヘルドをピタロレるぞ」は、この拳銃を撃(う)つぞ。

「ピタロレるとキャグニイぞ」は、撃つと死ぬぞ。こんなところか。

それ以外の部分はご自由に解釈なさって下さい。


使用したペンとインクは次のとおり。<F>は細字。

本文:
プラチナ万年筆 #3776 センチュリー 富士五湖「西(さい)」<F>
 ペリカン エーデルシュタイン「オリヴィーン」(オリーブ・グリーン)

俳優名:
プラチナ万年筆 #3776 センチュリー ニースロゼ <F>
 パイロット 色彩雫(いろしずく)躑躅(つつじ)






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